伊万里市の景観計画をめぐり、事前の説明がないまま大川内町正力坊区が対象区域に指定された問題で、市議会の経済建設委員会は8月27日、住民が求めていた区域からの除外の項目を採択しました。
伊万里市の景観計画と条例は、大川内山地区などの美しい景観を次世代に残すため令和5年9月に制定され、翌年の1月に施行されました。
指定された区域内では、車の目隠しとなる塀の設置や瓦屋根にするなど、厳しい制限が課されています。
計画の策定時、大川内山区では事前のワークショップが開かれた一方、正力坊区の住民説明会が開かれたのは可決後の11月でした。
住民側は、事前の丁寧な説明や合意形成がないままの「事後説明」であるとして、行政側の対応に反発。
地区住民の約9割にのぼる署名を集め、対象区域からの全面除外と担当職員への教育研修強化を求める請願を提出していました。
経済建設委員会は、教育強化の件については賛成少数で不採択としました。
その一方、対象区域の全面除外については、「市が正力坊区と再度、丁寧な協議を重ねていくこと」などとする意見を付すことは一致していますが、決議の形について意見が分かれました。
採択とした議員3人は、厳しいルールが課されるのにもかかわらず、地元説明がないまま進んだ手続きは重大な不備であるため、住民の意見を尊重すべきだと主張しました。
(採択派)
「説明もなく、景観計画が審議可決されたが、その経緯が請願者から理解が得られていなかった。さらには、正力坊区の約9割の方の署名が集まったということも受け止めまして、採択をさせていただきたい」
一方、不採択を推す議員3人は、一度除外すれば空白地帯となり、無秩序な開発を招く恐れがあるとして、条例の抑制効果を維持すべきと主張しました。
(不採択派)
「説明が十分でなかったという問題と、対象区域で指定すること自体が不適当であったという問題は、分けて考えていかないといけない」
採決の結果、正力坊区を対象区域から除外する請願事項については、行政側の過失と強い民意が重視され、委員長を含め採択されました。
請願全体としては「一部採択」となりましたが、除外に伴う景観保全への懸念に対応するため、意見を付記して本会議に提出されます。
本会議での採決は17日になる見込みで、委員会の結論を議会として判断します。