シンガポールに本社を置く企業の日本支社が、松浦町の伊万里東部工業団地に九州屈指のデータセンターを建設することになり、2日、伊万里市と進出協定を締結しました。
この日、市内の式場で進出協定締結式が行われ、「株式会社DayOne Data Centers Japan(デイワン・データ・センターズ・ジャパン)」の岡田聡良(おかだ さとし)取締役や、深浦弘信市長らが出席し、協定書に調印しました。
「DayOne Data Centers」は2022年に創業し、企業などの膨大なデータの保存や処理、管理などを行う大規模な施設「データセンター」の開発や運営を手掛けています。
アジアやヨーロッパのほか、東京都府中市などにも整備しており、今回の伊万里市は10拠点目となります。
今回は日本での拠点拡大を目的に、日本支社が伊万里東部工業団地に九州屈指の規模となる新たなデータセンターを開発します。
整備するのは、大量のデータを処理するAI対応の施設で、必要な電力は200メガワットに上り、県内でも初の規模とみられます。
建設地の伊万里東部工業団地は、工業用地の不足解消を目的に市が2020年に約12億円をかけて整備しました。
総面積は約13.5ヘクタールで、松浦バイパスに近く、高台で災害リスクが低いため、事業継続の拠点に適しています。
進出理由として企業は、「アジア市場と接続性が良い立地の良さ」や「市のサポート」、「大容量の電力を受電できること」を挙げています。
また、東京や大阪に集中するデジタルインフラの地方分散を国が進めている背景もあるということです。
企業は、施設の規模や投資額については公表していません。
本社の事業開発を統括するジミー・ユウさんは、記者会見で、一般的な建設費の目安として1メガワットあたり2,000万米ドルと説明しました。
これを今回の施設に当てはめ、現在の為替レートに換算すると、日本円で約6,300億円に上る見込みです。
式の中で日本支社の岡田取締役は、「地域との会話を大切にしながら事業を着実に進め、伊万里市の産業振興と発展に貢献したい」と挨拶しました。
深浦弘信市長は、「生成AIの普及を背景にデータセンターを誘致したいと考えていた。この決断に感謝している」と歓迎の言葉を述べました。
企業は2027年に着工、2030年の操業開始を予定しており、60人から80人を雇用するとしています。
今後は地元で説明会を開くほか、市と環境保全協定を結ぶ計画です。