景観計画をめぐる請願 継続審査で住民から意見聴取へ(7月1日)
2026.7.1 Wed
伊万里市の景観計画をめぐり、事前の説明がないまま大川内町正力坊区の一部が区域に指定されたとして、6月18日、対象区域からの除外などを求める請願書が市議会に提出されました。
6月23日に協議した環境建設委員会は1日、継続審査を申し入れ、今後、住民の代表などから意見を聴取する方針です。

請願書を提出したのは、大川内町正力坊区に住む男性です。
請願では、正力坊区を計画の対象区域から除外することと、当時の担当職員に対する教育・研修の強化を求めています。

伊万里市の景観計画と条例は、大川内山地区などの美しい景観を次世代に残すため令和5年9月に制定され、翌年1月に施行されました。
指定された区域内では規模に関わらず、すべての建築行為で届け出が必要となり、車の目隠しとなる塀の設置や瓦などの屋根にするなど、厳しいルールが課されます。

請願を提出した男性は、「大川内山地区の景観を守る計画の趣旨そのものに反対しているわけではない」とした上で、行政の手続き事務のあり方に疑義を唱えています。

計画の策定時、大川内山区では事前のワークショップが開かれた一方、同じく区域に含まれた正力坊区の一部住民には説明や協議が一切ありませんでした。
住民側は、市所有の施設が規制から除外されていることなども挙げ、行政の手続きや公平性に重大な疑問があるとしており、紹介議員によりますと区の9割の住民がこの手続きの進め方に反対しています。

市は、眺望保全のために区域を広げた際、「正力坊区の住民にも説明を実施する」という思いに至らなかったと事務手続きの不備を認めています。
一方、制定時に「地域住民は納得している」という市の説明を信頼して可決したことについて、委員会では当時の確認不足を反省する議員の声も上がりました。

(西田晃一郎議員)
「地域間での対応の差は、行政の公平性および透明性に重大な疑問を抱かざるを得ない。窓口に出向いてもなかなか自分たちの思いが伝わらなかった。そしてまともに対応していただけなかった。市役所の説明に一貫性がない」

(井上泰志建設農林水産部長)
「本来であれば、区域を広げた時点で正力坊区を交えた検討を行うべきではありましたが、都市政策課としてそれに思いが至ることなく計画策定を進めてしまいました。市は当初から一貫して施行後に見直し可能と述べており、説明が変遷している事実はございません」

問題は令和5年10月に住民からの問い合わせで発覚し、市は説明会を開いたうえで、区域から除外するための法的手続きとして要望書の提出を求めました。
窓口での対応をめぐっては双方の受け止め方に食い違いもあります。

市議会は7月1日に閉会しましたが、環境建設委員会は継続審査とし、請願の提出者から意見を聴取する予定です。

一方、市は請願が採択された場合、改めて住民の意向を確認し、各種審議会の意見を聞きながら見直しに向けた協議を真摯に進める方針です。