高校生の地元定着やキャリア形成を地域全体で支援しようと、今年度設立された「伊万里市高校応援団」の活動報告会が18日、伊万里市役所で開かれました。
伊万里市は、市内高校の魅力を高め、将来的な定住につなげようと、今年度から「市内高等学校支援事業」に取り組んでいます。
この事業の一環として、去年5月に設立された「高校応援団」には、市内の企業や個人事業主などが参加し、インターンシップや商品開発などを通して、高校生の成長を後押ししています。
18日の報告会は、こうした今年度の活動を振り返り、次年度に向けた連携を深めようと開かれました。
会場には、市内にある3つの高校と、団員として登録している企業など61社のうち34社が出席しました。
冒頭、市総合政策部の東嶋陽一(ひがしじま・よういち)部長は「地域に触れ合うことで見識が高まり、志も芽生えてきたと思う。今後の授業の発展に向けた話し合いの機会になれば」と挨拶しました。
報告会では各学校が今年度の取り組みを紹介し、すべての高校で地元企業による講演会が実施されたほか、事業所の訪問を実施したことなどが報告されました。
このうち伊万里高校では、市の魅力を再発見し、地域課題の解決に向けた政策提言などを行う3年間のプログラムについて説明しました。
成果として、生徒へのアンケートで「将来、政策決定に関わりたい」と答えた1年生の割合が、半年間で約15ポイント上昇し全国平均を上回ったことや、「佐賀さいこう!企画甲子園」などのコンテストで入賞した実績が報告されました。
また、担当の教諭は、生徒が伊万里梨を活用した伊万里焼入りの入浴剤を企画した際、AI(人工知能)からは「陶器は沈むため難しい」と回答されたものの、実際に大川内山を訪れたところ「浮き球」という技法が存在することを知った事例を紹介し、「AIには分からないことが伊万里にあると実感した」と、フィールドワークの重要性を強調していました。
その上で、次年度の活動について、次のような展望を示しました。
(担当教諭)
「商品開発やイベントの企画 課題解決の取り組む実際の活動をしたい。いきなり商品開発しようは難しいのでまずは講演会から段階的にやりたい。AIにできない学びを提供し、皆さんと伊万里の未来を支える生徒の成長をサポートしたい」
このほか、応援団に参加する企業や団体同士が連携する新たな動きも報告されました。
西九州短期大学と伊万里幼稚園は、保育者を養成する専門機関と現場が協力したキャリア教育プロジェクトを検討しており、職業に関する説明や現場体験に加え、大学生や現役の保育士と高校生が交流する機会などを計画しているということです。
参加者は、今年度の成果を確認するとともに、次年度の活動充実に向け意見を交わしていました。