世界的に活躍するタイのトップシェフらが11日、大川内山の窯元を訪れ、新たな店舗の展開を見据え、現地で直接、器の買い付けを行いました。
この視察は、県産品の海外展開を支援する県の事業の一環として行われたものです。
県は、アジアの食文化の発信地として注目されているタイを、陶磁器の海外展開における重要なパートナーと位置づけています。
今回は、美食の国としても知られるタイで影響力を持つトップシェフらを招き、実際に産地を見てもらうことで、販路拡大を図る狙いがあります。
11日は、複数人の来日メンバーのうち、ミシュランの星を獲得しているレストラン「POTONG(ポトン)」のシェフ、Pam(パム)さんと、夫で共同経営者のTor(トー)さんが、大川内山の畑萬陶苑を訪れました。
パムさんのレストランでは、以前から畑萬陶苑の器を使用している縁があり、新店舗のオープンやリノベーションを控えていることから、この日は具体的な商談が行われました。
一行は、畑萬陶苑の畑石修嗣(はたいし・しゅうじ)代表取締役社長の案内で、実際の窯や絵付けを行う工房、それに商品が並ぶ店舗を見て回りました。
その中で、共同経営者のトーさんは、伊万里焼と有田焼の違いや産地の歴史について熱心に質問し、畑石社長の説明に耳を傾けていました。
視察のあとに行われた商談では、2人は、既存の商品を購入するだけでなく、提供するメニューに合わせた細かいカスタマイズを要望しました。
青磁の器に彫られている花柄を「タイの国旗」に変更することや、料理の量に合わせて器のサイズを微調整することなど、シェフならではのこだわりを畑石社長に伝えていました。
(パムさん)
「日本の陶磁器が実際に作られている工房を訪れ、作っている方、扱っている方に出会えて、私たちにとって嬉しく感動的な時間を過ごしている。特に様々な形や色の器があり、私たちがもとめるように調整できることを知って、料理と同じように作り出す楽しみを感じている
(トーさん)
「今回の機会はただ素晴らしいだけでなく、誰もが経験できるものではないと思っている。陶磁器を理解するためには、作った人に話を聞く。また作られている所に実際に行ってみることが重要。今回はその機会を頂き、技術や作業工程への理解も深まる。
今後どのような形で自分たちが生かせるかという発想にも繋がっていく。出来たものを見るだけでもそれなりの知識が入ると思うが、そこに理解を重なることで、より良い発想が生まれてくると感じている」
(畑石修嗣社長)
「歴史と畑萬陶苑のスタイルを理解してもらい、クリエイティブな皿を今後ご一緒できる機械を得たので、かなりテンションも上がっているし、タイで伊万里を打ち出していきたい。世界各国の要望に応えるっていう昔古伊万里が世界に発信していたというものがベースにあると思う。ここをしっかり打ち出していくことで、商社含めてトライできるチャンスを頂けることは、有難いこと。佐賀にしかできないことだと思う」
細かい要望に対し、畑石社長がそれに応じた提案を行ったことで商談は成立し、県は、こうした海外のトップシェフとの連携を深めることで、伊万里焼のブランド力をさらに高めたいとしています。