国内の原子力発電所の安全性を監視する原子力規制委員会の山岡耕春(やまおか こうしゅん)委員が9日、玄海原発の状況を確認しました。
原子力規制委員会は、規制検査が適切に行われているかを定期的に確認するため、委員が直接、現地を訪れています。
地震と火山を専門とする山岡耕春委員は、去年9月に就任して以来、九州電力の原発を視察するのは今回が初めてです。
山岡委員は、8日から2日間にわたり、玄海原発の中央制御室や、現在定期検査中の4号機の原子炉格納容器、さらに特定重大事故等対処施設などを巡り、施設の状況を確認しました。
玄海原発の安全性について問われた山岡委員は、玄海原発が国内の原発の中でも比較的地震が発生しにくい場所であるとの認識を示しました。
(原子力規制委員会 山岡耕春委員)
「国内でもハザードレベルが低い場所だが、油断していいわけでなく、定期的に視察を行うことが大事だ。どのように仕事をしているか見ることができたので、この経験を踏まえ、今後は規制員会の中で色々と意見できると思う」
また、今年7月に玄海原発でドローンとみられる3つの光が確認された事案については、「初めての事案に対する対応としては問題ない」と評価しました。
(原子力規制委員会 山岡耕春委員)
「対応に問題はなかった。確認された場所などを地図上だけでなく実際に見る事ができた。対策は明日議論し伝えることになる」
この事案を受けて、九州電力が警備員にスマートフォンを持たせるなどして映像を記録する対策を行うことについては、「証拠は今後大事になる」と述べました。
この事案を巡っては、10日に開かれた原子力規制委員会の臨時会議で、原子力規制庁から初動対応の課題が報告されました。
原子力規制庁は、初の核物質防護事案であっため、外部への情報発信に時間がかかったことや、発信内容の訂正などに課題があったことを認めました。
今後、関係機関と連携し改善を図るとしています。
九州電力も16日、通報連絡や監視体制の強化策について発表しました。
通報連絡については、対応の目安となる時間の設定や、確定情報か否かを記載し正確性の確保に努める対応をまとめています。
またデジタルカメラを用いた静止画や動画の撮影を行う運用を明確にしました。
さらに、設備面では暗視スコープの配備して夜間の視認性を高めるほか、ドローン検知装置の導入や通信を妨害するジャミング装置の導入を検討していくということです。