伊万里有田地区の医療機関や消防などが連携し、大規模な災害への対応を確認する訓練が、8日、伊万里消防署で行われました。
この訓練は、多数の傷病者が発生した事案に対して、関係機関が円滑に初期対応を行えるよう、伊万里有田地区医師会と伊万里・有田消防本部などが主催したものです。
訓練には、佐賀長崎のDMATや地域の医療機関のほか、伊万里看護学校の学生など約100人が参加しました。
訓練は、東山代町で記録的な豪雨による水害や土砂災害が発生し、約30人の負傷者が出たという想定で行われました。
会場となった伊万里消防署には、現場指揮所や救護所が設けられました。
訓練に参加した伊万里看護学校の学生のうち、准看護科の生徒が傷病者役を務め、傷病者の緊急度や重症度を把握するための初期評価「スクリーニング」の手順が確認されました。
スクリーニングは、治療の優先順位を判断するために行われるもので、消防署員が救助の際に行うほか、医療従事者に引き渡した後にも再び実施され、刻々と変わる傷病者の状態を正確に把握する重要性を共有しました。
准看護師の資格を持つ看護科の学生は、指導を受けながら、現場でのスクリーニングや救護所での活動を体験していました。
また、現場の消防職員は、救護所の医師と密に連携して情報を共有しながら、救急車や防災ヘリの手配手順などを確認しました。
さらに、救急車が到着するまでの時間を計算し、医師と協力して一刻も早い搬送に向けたシミュレーションを熱心に行っていました。
一方、伊万里保健福祉事務所のブースでは、地域の医療機関の稼働状況を確認するシステム、EMIS(イーエムアイエス)への入力や情報収集の訓練が行われました。
参加者は、実働を通した指揮命令系統の評価や課題の抽出を行い、有事の際のさらなる連携強化を図っていました。
(看護科生徒)
「トリアージを初めて体験したが戸惑った。指導を受けて実践して良い経験ができた。将来災害時に命を救えるような看護師になりたい」
(佐賀県西部地区災害訓練事務局 大曲史悦さん)
「市民が安心安全に暮らせるような備えを医療従事者が定期訓練を通して準備をする必要がある。命が一つでも救えるようにやっていく」