国登録の有形文化財で茅葺屋根が特徴の前田家住宅。
この貴重な文化財を後世に残そうと15日から、経年劣化が特に激しい屋根の一部が葺き替え作業が行われました。
前田家住宅は江戸時代、伊万里郷の大庄屋だった県内最大規模の民家建築で、屋号は「くしや」といい、国登録の有形文化財に指定されています。
木造一部二階建ての建物は、1784年に建立されたと推定され、旧佐賀藩の民家を特徴づける屋根の形が「コ」の字型の「くど造り」となっています。
二階部分の屋根が茅葺(かやぶき)で、経年劣化で雨漏りしていることから、15日から屋根の葺(ふ)き替え作業が行われました。
作業は、2014年以来11年ぶりに行われ、特に劣化が激しい部分のみとなりました。
3日目の17日には、佐賀市の職人が、傷んでいる葦(よし)を落として、新しいものを手作業で付け替えていました。
1週間ほどで作業は終わり、葺き替えた葦は2トントラックの荷台の半分ほどになったということです。
(前田家14代目当主 前田修一さん)
「代々の前田家住宅を残していきたい。古い屋根なので綺麗に残していきたい」
前田さんは、建物の管理や維持は個人負担で、茅葺屋根の葺き替え作業も全体を行うと、多額の費用が必要だと話しています。
この前田家住宅を後世に残していくため、前田さんは、住宅を活用した事業を検討しているということです。